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(チャミペン)サスム&(ユノペン)ホランイです。
東方神起ユノとチャンミン2人の応援をしています。

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東方神起サランへ♡2人の妄想小説です。時々、R18有り。
ご挨拶
ご挨拶





お疲れ山〜〜♡
ご訪問有難うございます。

(チャミペン)サスム&(ユノペン)ホランイ
です。
東方神起ユノとチャンミン2人の応援をしています。


ホミン&ミンホどっちも有りです。
たまに、R18表現あります。
話の設定上、2人以外の名前が出てくる事がありますので、十分ご注意下さい。

100% サスムとホランイの妄想です。
(実在の人物等とは一切関係ありません)
そんな妄想にお付き合いくださる方は先にお進み下さい。

閲覧後の苦情等は一切受け付けませんので、自己責任でお読みください。


それでは、いくじぇ〜〜!!!




サスム&ホランイ




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【2024/01/14 00:00】 | ご挨拶 |
虹を渡る 20
虹を渡る 20
虹を渡る 20










〜Changmin〜




障子の隙間から伸びる光の筋が眩しい。
真っ直ぐに顔の上を横断し、漆喰の壁に直線を描いている。
そんな朝の光景を恨めしく思いながら、まだ本調子でない身体をゆっくりと起こした。


夢か幻か?


肌蹴た襟をそっと握り締めながら、夢のあらましを一つ一つ辿った。
妙だった。
やけに生々しく、鮮明な夢だったから。
旦那様の香り、感触、口付け。
思い出すだけで顔から火が出そうになる。
枕元にある本と金平糖に視線を送り、整然と並ぶそれらを見て、やはり夢だと深く息を吐いた。




身なりを整え、部屋から顔を出した。
まだ少し怠さが残るが、立ち上がれぬほどの辛さはない。
さすがにそう何日も寝込んでばかりはおられぬと、重い身体を引き摺って井戸へと向かった。


「おや、チャンミン。具合はどう?」

「おはようございます、ソンミン様。ご迷惑をお掛けしてすみませんでした」


井戸には先客がいた。
ソンミン様は着物から袖を抜き、見事な裸体を晒して桶に水を汲んでいる。
戸惑う事なく頭にザブリと水をかけ、犬のようにブルブルと振った。


「なに、心配なんてしてやしない。若いんだから少し寝たら良くなるものだ。ああ、気持ちがいい。昨晩ユンホ様と飲み過ぎてしまって、また二日酔いだ。チャンミンの若さが羨ましいよ」


手縫いでゴシゴシと身体を拭きながら、ソンミン様は眉を顰めて困ったように笑った。


「旦那様と?」

「そう、行きつけの酒屋で偶然居合わせてね。普段そう飲む人じゃないんだが、久々に酔っ払うのを見たよ」

「そうですか、、」


やはり夢だったのだ。
ソンミン様に笑顔で応える自身がなく、そそくさと着物の袖を抜いて手縫いを水に浸した。


「チャンミン、、」


するとソンミン様は目を見開いて近づいてきて、食い入るように身体を見つめてきた。


「どうかしました?」

「この赤い発疹、、熱は?熱は下がってる?」

「え?はい、多分、、、」


自分でも驚いた。
ソンミン様の視線を辿って見下ろすと、自分の胸元に真っ赤な発疹がいくつも出来ていた。
ソンミン様は私の額に手を当て、慌てて着物を着せた。


「熱は下がったようだね。だが身体にいくつも発疹が出ているから、医師には診てもらう必要がある。私がすぐに連れてくるから、チャンミンは部屋から出てはいけないよ。きっとなんてことないが、私は少し心配症でね」


私は黙って頷き、部屋へと戻った。
念のため、今度は手鏡に写してみると、やはり首から胸にかけていくつもの赤い発疹が出来ていた。


一体いつから?
病によるものなのだろうか?
それとも、もしや、、、


顔がカッと熱くなるのが分かった。
両手で口を塞ぐと、手鏡がぽとんと落ちた。



まさか、まさか、まさか、まさか、まさか!?



あり得ないという気持ちと、恐ろしい程の羞恥に襲われ、襟を手繰り寄せて畳の上に蹲る。




夢だ!夢だ!夢だ!と何度も自身に言い聞かせる。
だが、あの気の遠くなりそうな幸福な時間を思い出すほどに身体は熱く火照ってしまう。
図々しくも自分から旦那様にしな垂れかかり、抱いてと強請った。
すると旦那様は熱い口付けと抱擁を、、、



「うわぁぁぁぁ、、、」



頭を抱え、畳の上でもんどりうって。
再び両手で口を塞いで呼吸困難一歩手前の状態でピタリと固まった。
ふと、旦那様の最後の言葉を思い出してしまった。



「すまない」



身体からスッと熱が引いてゆく。
なんて釣れない言葉だろうか。
今度はコロンと寝転んで、天井のかば桜を見た。



終わりだ。




そして、考えるのをやめた。
開け放たれた障子と、そこから望む景色。
小さな坪庭からは、夏の匂いがしていた。
美しく咲き誇っていた紫陽花は、いつの間にやら茶色く草臥れ、庭の景観を汚している。
障子を締めて、当たり前の初夏の景色を消した。














〜Songmin〜





「発疹ではないようです。まぁ二、三日もすれば消えるでしょう」

「え?ですがこんなにハッキリと、、」


医者はチャンミンを一瞥して、わざとらしくゴホンと咳払いをした。


「まぁ、軽い内出血です。熱も下がっておるようですし、何か栄養のある物でも食べさせて下さい」

「内出血?」


「お大事に」と医者は大層な荷物を重そうに持って立ち上がり、慌ててそれを横から奪い取るようにして後をついて行った。


「先生、内出血って、、病によるものではないんですか?」

「ああ、違う、違う。さすがに本人の前では言えやしませんでしたが、あの子はお商売の子でしょう?熱があるのに客を取らせるのは感心しませんがね」

「は?」

「以前の腕の傷しかり。おかしな客とか、心当たりはないですか?」



おかしな客??




医者の言葉を理解するのに少々時間を要した。
いまさら客など取らせる筈がない。
まして、あのように熱がある状態で一体何ができると言うのか?
この医者ヤブかと疑惑の念を抱きつつ、後ををうろうろとついて行くと、医者は明らかに迷惑そうな顔をして言った。



「だから、お商売の子なんでしょう?そういう痕だって事ですよ。まさか、相手はあんたか?」



あまりの衝撃に、そこから暫くの記憶がない。
気がつけば、目の前には見覚えのある大きな柳の木が立ち塞がり、ユラユラと葉を揺らしていた。
「お大事に」と医者は荷物を奪うようにして、橋の袂の小さな診療所へと姿を消した。
どうやら、いつの間にやら目的地へと辿り着いていたようだった。


「ありがとうございました、、」


まるで狐につままれたような気分だった。
診療所の扉に向かって頭を下げてはみたものの、頭の中には靄がかかっている。



そんな子じゃない。
男を連れ込むなんてありえない。



裏切られたような、心配なような、なんとも言えぬ苦味を噛みしめていた。
頭を上げて踵を返すと、今度は頭が高速回転を始めた。
医者の話が事実とすると、昨晩チャンミンの部屋に忍び込んだ輩がいるということになる。
それ自体大問題だが、それ以上に問題なのは相手だ。
医者の言うおかしな客が忍び込んだか、はたまた恋人との逢引か?
しかしチャンミンには高熱があった訳だし、自覚がないこと自体おかしい。
となると、偶々忍び込んだ暴漢の仕業だろうか??


そんな事を考えながら、のんびりと歩を進めていると、ふとある男の顔が浮んできた。
まさか、と否定はするものの、その顔が頭から離れなくなった。



それは、昨夜酒を飲んで荒れていた
良く知る男の顔だった。






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【2017/10/22 17:00】 | 虹を渡る | Comment(6) |
虹を渡る 19
虹を渡る 19
虹を渡る 19













寄越される真っ直ぐな瞳から逃れるように、黒目がみっともなく彷徨ってしまう。
そこにあるのは激しい動揺と理性との葛藤で、頭では理解しているつもりでも、その戸惑いたるや尋常ではなかった。
甘えるように擦りよってくる子に鼓動は鳴り響いて止まず、動揺を隠せない。
こんな姿を見られてはならないと、誤魔化すように口を開いた。



「熱が高いな」



緊張に汗ばんだ手で頬に触れ、間違いなく熱に浮かされていると確認し、再び自分に言い聞かせた。



熱のせいだ。



だが潤んだ瞳で頬を摺り寄せるチャンミンは、不可抗力とはいえ息苦しいほどに愛らしく、無意識に違いなくとも、私の理性などあっと言う間に破壊してしまいそうな色気があった。



「暑い、、」



誘惑は悪戯に続く。
汗ばんだ胸元を空気にさらし、仰け反るようにして熱い呼吸を繰り返すチャンミンは、必要以上に艶かしい。
熱のせいだと分かってはいるものの、その吐息は淫らに映り、あの幼さの残る面影は脳裏から消えていた。
もはや不可抗力では済まされないと苛立ちはキリなくつのってゆく。
言い訳など出来ようはずもないこの状況で私を貶めるつもりかと、もはや狂人と疑われかねぬほど思考は混乱していた。



熱に浮かされた罪なき美少年と
それを前に欲情する倒錯男



眼を背け、チャンミンの襟をそっと正した。
背中には冷たい汗が流れて落ちる。
チャンミンは自分の危機的状況を理解などしてはいないだろうし、私とて自分がこんなにも欲望に忠実だったとは想像だにしていなかった。



「旦那様、、」



潤んだ瞳を投げて寄越すチャンミンに、思わずゴクリと喉が鳴った。
不意に手を握られ、私を雁字搦めにする理性の鎖が脆くも崩れ去りそうになる。
その無防備な様に心が震え、思わず強く握り返した。
あり得ない。と頭で何度も繰り返す。
私には妻がいる。
それ以前に、実を成さぬ青い草に惹かれるなどありえるはずがないと。
甘く香る早い呼吸も、熱で潤んだ瞳も、まるで喘ぐように苦しげなその声すらも。
その全てが愛おしいと感じてしまう事実は、あってはならないものだった。
だが、まるで背徳と未知の塊のようなこの子に、親鳥の仮面は脆くも剥がれ落ちた。
額に落としたものは、明らかに男の欲望が混じった口付けであった。



「暫し、このまま、、」



抱き締めた身体は見た目以上に細く、熱のためか湿ってぐにゃりと柔らかかった。
興奮で頭の中は真っ白に染まり、男だとか女だとか熱があるとかないとか不貞行為だとか純愛だとか、そんな思考は消滅。
あるのは触れたいという欲求と、愛しいと思う感情だけ。
皮一枚で必死に抵抗しようとする理性は、正に非力の一言だった。



「抱いて」



鼓動が一つ大きく鳴った。
四肢が固まったように動かない。
こんな風に直線的な誘惑を味わったことは未だ嘗てないし、こんなに自制の効かない自分も記憶にない。
本職とはいえ、齢16の子供に翻弄されるほど初心ではないと思いたい。
だが、こんな気持ちは初めてだった。
こんな自分がいただなんて。



「抱いて下さい」



逃げ場のない激流の如き口付けは、もはや決壊とでも言うべきか。
正に奪うような口付けだった。
唇も舌も柔らかく、濃い唾液の味が興奮に拍車をかけてのめり込む。
熱があって苦しかろうに、必死で舌を絡めるチャンミンが愛おしくて仕方がない。
かつてこんな風に口付けたことなどなかった。
いつもどこかに理性が存在していた。
だが今は、チャンミンの息苦しそうな表情にすら湧きあがる劣情を抑えきれない。
自身理解不能のまま本能に付き従い、ただ貪るように口付ける。
欲望は際限無く膨らみ、真っ白な襟元へと伸びて行った。
唇を合わせたまま性急に胸元を開くと、白く美しい肌が露わとなった。
凹凸の無い胸に目をやるも、なぜか違和感なく欲情している。
本能の赴くまま肌に吸い付くと小さく跳ねて、それを何度も繰り返すと濡れた喘ぎを漏らし始めた。
腕はそっと首に回され、淫らに誘われているように錯覚する。
だがその両腕は、震えていた。




「すまない」




月明かりも差さぬ暗がりで見たのは、まだ幼さの残る愛らしい顔だった。
丸い二つの目が私を見上げている。


この子は、こうして何人の男を見上げてきたのだろうか?


見開かれた大きな目は潤んで光りを帯びていた。
私は凍りつき、怒涛に押し寄せる罪悪感から身動きがとれなくなる。


私もその一人としてこの子を汚すつもりなのか?


チャンミンは両手で顔を覆い、ついには泣き出して、私はその罪深さを知った。





枯れかけた紫陽花が見ていた。
私を照らす半月は、変わらずとても綺麗だった。






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【2017/10/21 17:00】 | 虹を渡る | Comment(6) |
虹を渡る 18
虹を渡る 18
虹を渡る 18








〜Yunho〜






「お早くから、ご苦労様でございます」


年の頃は五十手前。
江戸で知らぬ者はなし、と呼び声高い名役者は、呆れ顔で言い放った。


「かのチョン家のご主人ともあろうお方が、わざわざ私如きに日参されるとは。恐縮で朝飯も喉を通りませんよ」


たぬき祖父はそんな戯言を抜かし、よくついた沢庵をボリボリと美味そうに食べた。


「先生しか頼る方はおらぬのです。どうか心中をお察しください」


真っ直ぐにその惚けた顔を見つめると、たぬき祖父は「う〜ん」と唸り、今度は大口を開けて白飯を頬張った。


「貴方がこれほど熱心になさるとは余程の事だ。そうでしょう?」


旨そうにモゴモゴと口を動かしながら、困ったようなふりをする。
全く、紛う事なき狸である。
食べる手は止まることを知らず、ホカホカと湯気を立てる白飯がどうにも美味そうで、思わずゴクリと喉がなった。


「どうか一度会うだけでもお願い出来ないでしょうか?」

「、、まぁとにかくお食べなさい。せっかくの飯が冷めちゃあいけない」


このたぬき祖父の元に通い詰めること十日。
今日こそは許可を頂くまでは帰らない。
そう固く決意していた。


「はい。頂きます」


箸と茶碗を手に取り、白飯をガバリとすくう。
白い湯気を立てるそれを一気に口に放り込むと、バタバタと賑やかな足音が聞こえてきた。


「オッパ!」


まん丸の頬っぺたに赤い着物。
溢れる笑顔に思わず頬が緩んだ。


「オッパ、金平糖買ってきてくれた?」


目をキラキラとさせて私の膝下に飛び込んできた小さな熱の塊。
それは、たぬき祖父の溺愛する末の孫娘だった。


「これ、客人の前ではしたない!」


まだ十にもならぬ小人は、赤い舌をペロリと出して悪戯な顔で私を見上げた。
たぬき祖父は口では怒ったふりをするものの、目尻は下がりきっているのだから余程だ。


「おはよう。私は約束はちゃんと守る男だぞ」


小さな陶器の入れ物をそっと差し出すと、孫娘はわぁっと歓声を上げてそれに飛びついた。
たぬき祖父はやれやれと言いながらも終始顔を綻ばせ、娘の喜ぶ顔に絆されたのか


「一度だけお会いしましょう」


とついには陥落。


「ありがとうございます」


深々と頭を下げながら、心中で拳を握り締めた。
脳裏に浮かんだあの悲しい子も、優しい笑顔を浮かべていた。



















「熱?風邪か?」


喜び勇んで久々に茶屋に顔を出した。
すると、浮かない顔のソンミンから思わぬ報告を聞くこととなった。


「ええ、多分。眠っていたので詳しくは分かりかねますが、熱は少々あるようです」

「、、ゆっくり休むよう伝えてくれ」


吉報をすぐにでも聞かせたかったが、さすがに体調不良では如何ともしがたい。
暫く留守にした分仕事は山積みで、取りまとめ茶屋の事はソンミンに一任する事にした。


「わかりました。ご心配なく。酷いようなら医師に診せますから」

「そうしてくれ。それからこれを、、」


え?と動きを止め、手の中のものをジッと見つめるソンミンに、一抹の気恥ずかしさを覚えた。


「なに、用があってついでに買い求めたものだ。セリョンにと思っておったが、熱では食欲も失せるし、うって付けであろう?」


「はぁ」と間の抜けた返事をするソンミンを残し急ぎの用事だと嘯いて、そそくさと茶屋を後にした。


私らしくもない。
と私も思ってはいる。
元来妻に土産を買うような気の利く男ではないのだから。



人々の行き交う喧騒、道っ端ではしゃぐ子供達の声があの時の記憶を突如として蘇らせた。
飴屋に夢中になって帰路を見失ったあの不安げな瞳を。
スラリと高い背に、人目を惹き付ける美しい面立ちのあの少年を。
それが道端で立往生していれば、誰だって放ってはおけぬだろう。
あれは狡いのだ。
狡くて、私も戸惑っているだけ、、
不意に飴屋の前で立ち止まり、その器用な手つきをぼんやりと見つめた。


「旦那、土産にどうです?お一つ。」


飴屋は見事な手捌きで、あっと言う間に見事な登り龍を作り出した。
だが私が欲しい物はそれではない。


「雛鳥だ。出来るか?」


飴屋は「え?」と眉を顰めながらも、瞬く間に愛らしい雛鳥を作り上げ、私は百文を手渡した。


「これで足りるか?」


飴屋は酷く驚いた顔したが、私にはその価値があるのだからそれでいい。
母を求めて泣いているのか、愛らしく開いた小さな嘴がとても気に入ったのだから。


いつか羽ばたく時がくるだろう。


あの子ならやれると信じていた。
立派に成長し巣を飛び立つその日まで、陰日向となり見守ってゆく。
言うなれば、私は親鳥。
無事巣立ちを見守る義務があるのだ。


私にも、帰るべき巣があるのだから、、、


導き出した答えは、なぜか私を鬱々とさせた。
ぼんやりと歩き始めると、足元に小さな衝撃があった。
そこに焦点を合わせると、小さな塊がコロンと地面に転がっていて、慌てて起こし埃を払ってやった。


「すまん、ぼんやりとしていた」


するとその子は口をへの字に曲げて、今にも泣き出しそうな様相を見せるから堪らない。


「どこか痛いのか?」


特段怪我をした様子はなかったが、ついにはヒック、ヒックとしゃくり上げるからお手上げだ。
道行く人々がその様子を遠巻きに見守っている。


ああ、これではまるで幼子から飴を取り上げた非道な男にしか見えぬだろう、、


私は仕方なく飴を差し出し「百文だぞ?」と大人気なく釘を刺した。
すると、毟るようにして飴を取り、その小さな背中は去って行った。
早くも飛び立った雛鳥。
なんだか胸にぽっかりと穴が開いたような気がして、なんとも切なくなった。
気分が沈み、なんだか足まで重くなって、とぼとぼと歩く。
なぜか手のひらに残るのは、飴細工の重みではなく、繋いだあの子の手の感触だった。







我武者羅に働いて、気が付けば半月が煌々と地面を照らしていた。
やけにくっきりと浮かんでいて、印象に残っている。
その後結局どうしたかと言えば、帰宅の足を仕事に託け、再び茶屋を訪れていた。
坪庭で赤茶けた紫陽花を眺めるふりをしながら、奥の襖を何度も盗み見るというあり得ない醜態を月に晒して。
紫陽花は見頃を過ぎ、萎びた花びらは物悲くさえ感じられるほどで、花見とは言い訳出来ぬ行動に、自身が戸惑っていた。



熱はいかばかりであろうか?
苦しんではいないだろうか?



私がここに来た理由は、この枯れかけた紫陽花ではなく、一寸の隙間無く閉められたあの襖の向こうにある。
だが、それをはっきりと自覚し、行動することは出来なかった。
軽はずみな行動で変な誤解を生んではならぬし、自身が妙な勘違いをしても困るという屁理屈からだ。
そんな言い訳を頭に巡らし、すでに半刻。
何の変化もない部屋の様子に焦れながら、不意に紫陽花に手を伸ばすと、なんとも言えぬ気持ちが込み上げてきた。
一体自分は何がしたいのか?
呆れながらも動く気配のない己の足に、重いため息を漏らした。





それからまた半刻。
ガタンという音が、月を真っ二つに割った。
そう思える程の衝撃で衝動だった。
襖が開け放たれ、縁側に倒れているのはまごう事ないあの子で、そこに駆けつけぬという選択肢はなかった。


「おい!大丈夫か?」


声よりも、先ず身体が動いた。


「どうしてここに?」


力無く横たわり、潤んだ瞳で見上げるチャンミン。
それは、まさに触れてはならぬ禁忌というべき美しさであった。


枯れそうな紫陽花のせいだ。
美しい半月のせいに違いない。
そう己に言い聞かせる。





『逢いたかった』





そんな口には出来ぬ想いに蓋をして、親鳥の仮面を深くかぶった。




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【2017/10/20 17:00】 | 虹を渡る | Comment(11) |
虹を渡る 17
虹を渡る 17
虹を渡る 17









〜Changmin〜












ハァハァハァと途切れなく響く呼吸音。
息を吸う度、胸が大きく上下する。
閉ざされて、暗く湿った空気がなんとも言えず息苦しい。

ここは一体何処なのだろう、、?













喉がカラカラで焼けるように熱い。
空気が肌に纏わり付くように蒸していて、息苦しさに目を覚ました。
薄暗い視界に映るのは見覚えのある天井。
それが何故かグラグラと揺れて無性に気分が悪くなった。



ハァ、、今何時だ?



暑くて堪らず、布団を剥いだ。
外の空気が恋しくて、重い身体を引き摺るように障子まで這う。
なんとか抉じ開けて縁側の床に寝そべると、冷んやりとした床がなんとも心地よく、瞼が勝手に下りてきた。



「おい!大丈夫か?」



やけにハッキリとした幻聴。
そう思いながら意識を手放しそうになった瞬間、強い力で上体を起こされた。
薄ぼやけた視界が徐々に鮮明になってくると、見えたのは、見事な半月とそれに負けぬ美しいお顔だった。



なんと、、、



あまりにも美しい光景に胸打たれた。
それは、まるで煌々と光る月の夜空に、もう一つ煌く月があるような、そんな幻想を抱かせる光景。
これは夢だと、そう思わざるを得ない。



「どうしてここに?」



そう、これは夢だ



夢心地で、旦那様の袖口をそっと掴んだ。
感じる上質な肌触りがやけに現実味を帯びていて妙だった。



「、、紫陽花がもう終わりだと」



口を開いた旦那様の黒い瞳が、チラチラと左右に揺れて綺麗だ。



「はい、、、」



虚ろな意識の中、薄ぼんやりと返事をした。
その瞳に奪われて、我が心ここにあらず。



なんと美しい方だろう



感動に胸が抉られるよう。
チラチラ動く黒目に光が付き従って揺れるその様は、例えようもなく美しい。
月光すらも従える、その圧倒的美麗なお姿を目に焼き付けたくて、瞬きすらも惜しみ、ひたすらに見つめ続けた。
するとその方は視線をそらし、こんな風にも仰った。



「それに今夜は月も綺麗だ」



伏せられた瞳も、すらりと細く高い鼻梁も、目元にかかる艶やかな髪も。
この人を形作る全てが美しいのだと知る。



本当に、なんて綺麗だ。



うっとりと見つめながら、その光り輝く小さな御顔に手を伸ばした。
なんと恐れ多いこと。
だが止められもしない。
まるで導かれるかのように求めて止まず、触れた。
その包み込めそうなほど小さな御顔に。
するとすかさず重なる大きな手に「やはり夢か」と、絶望した。



「ええ、とても綺麗です」



夢という幻想の中に吐き出す素直な感情、言葉。
夢の中にいる、無垢な自分。
見つめ、触れ合える贅沢に目がくらみ、着物の合わせから漂う旦那様の香りに、意識がもがれそうだった。
夢でなくば到底許されぬと知りつつも、流されたい。
思うままに振る舞いたいと願ってしまった。



そう、これは夢なのだから



焦がれて止まぬ広い胸にそっと頬を押し付け、目を閉じる。
ぎゅっと二の腕が締めつけられて、強く抱かれていることを実感した。
儚い夢が夢の中で実現された瞬間、もう死んでもいいと、そう思った。



「熱が高いな」



旦那様の優しい声が耳を擽り、その近さを感じた。
五感を研ぎ澄まし、頬に触れる冷たい感触に擦り寄ると、それが大きな手だとわかった。
その大きな手が離れると、フワリと身体が宙に浮かび、あの寝苦しい布団へと連れ戻されて、何とも悲しい気持ちになった。
なんと儚く脆い夢か。



「暑い、、」



首筋に汗が絡みつく。
湿った着物と布団が不快で、襟元を力尽くで開き、風に晒した。
すると即座に襟元を正されて、薄く目を開くと、美しい人の横顔がぼんやりと映った。



「病人は温かくしていろ」



ぶっきら棒な旦那様の物言いがやけに温かい。
ふとその手を掴んで握り締めると、旦那様はまるで氷のように固まって、無言のまま、なんとも言えぬ表情を浮かべた。
旦那様は手を引こうとするが、そう易々とは解かない。
掴んだ手を引き寄せ、懇願した。



「少しだけ。少しの間でいいんです」



旦那様はほんの少し口を開き、何か言いかけて閉じた。
顔がやけに火照っている。
荒い呼吸で旦那様の横顔を見つめ、握った手に力を込める。
両手できつく握り締めると大きな影がほんのわずかに動き、そっと撫でると拳が揺れた。



「旦那様、、、」



小さく呼ぶと、長い指がゆっくりと絡んだ。
そっとさすると、その長い指が指を撫でた。
その些細なふれあいすらも息苦しくて、この想いを、知られてならぬこの想いを伝えてしまいたい衝動に駆られた。
触れている場所が痛い。
胸が苦しいほどに高鳴ってうるさい。
遠慮がちな触れ合いに耐え切れず、再び口を開いた。



「旦那様、、」



返答のない旦那様の額に、キラリと光るものを見つけた。
どうにか腕を上げ、そっとそれを拭う。
サラリとした髪が手の甲に触れて、そのままそっと撫でた。
愛しさの表れか、指先が震えてしまう。
二度と訪れぬであろう触れ合える喜びは、嬉しくも、また悲しくもあった。



「なぜだ?」



夢の中で聴く旦那様のお声は、普段よりも格段に甘く響いた。
ぼやけた視界に、端正な旦那様のお顔が近くまで下りてきて、私を射抜くように見下ろした。



「なぜそんな目で私を見る?」



唇の動きに合わせ、吐息が唇をかすめる。
触れた指先に、長い指が絡んだ。
両手が繋がって、そこに血が通うかのように、指先からジンとした痺れが駆け抜ける。
温かくて、狂ってしまいそうだ。





貴方の事が、、、





大きく膨らんだその想いが、溢れてしまいそうだった。
旦那様の瞳に熱を感じるのは、馬鹿げた妄想に違いないのに。
サラリとした髪が汗ばんだ私の額に触れるほどの距離感。
見つめ合い、視線が溶け合うその瞬間たるや言い表しようもない。
手をさらに強く握られて、胸は張り裂けそうな音を立てた。
それは、あり得ない現実に期待する、憐れな心の悲鳴だった。







熱い吐息が鼻梁をなで、額に柔らかな感触が落ちてきた。
優しい唇の感触に溶けてしまいそうな感覚に陥る。
だが触れたのはほんのわずかで、離れゆく旦那様を視線で追った。


薄暗い闇の中、漆黒の瞳が煌めいていた。
その漆黒の中に写る自分は見たことがないほどもの欲しい、みっともない顔をしている。到底見てられぬと、そのむき出しの欲望から顔をそむけると、そっと両手が解放された。
こんな顔を旦那様に見られたかと思うといたたまれない。
自由になった両手で顔を覆うと、今度は強い力で抱きしめられて、息が止まりそうになった。





「暫し、このまま、、」





喉を押し潰すように吐き出された、苦しげで甘い誘惑。
分厚い身体に押しつぶされる感覚に、気が狂いそうだった。
惑わせられるのなら、惑わせてしまいたい。
狂おしい程に求めて、求められたい。
伝わる熱のせいだろうか?
天井のカバ桜を盗み見ながら、ついに私は禁忌を漏らした。




「抱いて」





月光も届かぬ部屋の隅。
闇に紛れて、貴方に手を伸ばした。
己の痴態を思えば、泣きたくもなる。
だが恥も外聞もなく縋る以外、なす術もない。





「抱いて下さい」





ついに溢れた想い。
極度の緊張に、僅かな理性は引き剥がされて微塵に割かれた。
所詮は男娼のうわ言。
夢ならば誰にも咎められまいと、半ば自暴自棄でもあった。





「後生です。どうか、、」





すると、壊れた口を封じるように唇を塞がれた。
その乱暴な口付けに、背骨が痺れる。
歯列の隙間から尖った舌が押し入り、傍若無人に振舞われる。
苦しくて、抱きつくように着物を掴むと、骨が軋む程強く抱きしめられた。
煌めく月は、まるで真っ赤な炎となって私を焼き尽くさんばかり。
高い鼻梁から漏れ出る吐息すら奪い合うかのように、互いの唇を合わせた。
交わるはずのない方だった。
絡み合う運命など、ありようもない雲の上の方だった。
汗ばんで滑った手のひら、重くのしかかる体重、擦れ合う皮膚の感触、その全てに夢中になった。





どちらのものとも分からない荒い呼吸。
身体の芯がジンと痺れるように熱い。
背を掻き毟り、もっとと強請る。
引き千切るようにして開かれた襟元に強く口付けられる度、自然と吐息が漏れた。
頬をくすぐる艶やかな髪。
小さな頭を必死の思いで両手で抱え、この方の全てが欲しいと、ただそれだけを願った。
だがそんな願いも虚しく、唇はゆっくりと離れていった。


旦那様の瞳は、変わらぬ美しい光を宿したままだった。
闇夜に浮かぶは白く小さなお顔。
乱れて額にかかる髪が、怖いほどに美しいそのお顔を際立たせていた。
この世のものとは思えぬその御姿は、畏れの念を抱かずにはいられぬほどに完璧。
言葉などない。
心揺さぶられ、ぐちゃぐちゃだった。





夢は、目が覚めたら終わり。





そこにあるのは絶望で、聞くことさえ叶わなかった。
精一杯の強がりで唇を真一文字に結ぶと、目頭が熱くなってくる。






「すまない」





旦那様の澄んだお声が、夢の終わりを告げた。
本当に夢だったのか?
夢見ることを夢見ていただけなのか?
それすらもよく分からない。
視界が滲んで見えなくなって、私は真っ暗な世界へと逃亡をはかった。
両手で眼を覆い、徐々に意識を解放してゆく。
優しい手つきで髪を撫でるのは、どうかやめて欲しい。
労わるようなその行為はむしろ残酷だと、旦那様は知るべきだ。
こんなにも苦しく、切ないの想いがあると知るべきなのだ。
そして私は逃げるように意識を手放し、深い闇の中へと沈んでいった。




私はまるで溺れる金魚だ。
深い眠りの水底で、覚めてくれるなと願い続ける。
終には水面に腹を見せて浮かぶ、そんな悲しい夢だとしても、、、







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テーマ:二次創作(BL) - ジャンル:小説・文学

【2017/10/19 17:00】 | 虹を渡る | Comment(2) |
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